当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

1.新型コロナウイルス感染症による受注減少が業績に与えるリスク

新型コロナウイルス感染症については、新たな変異ウイルスの脅威や中国のロックダウンが生産や物流に与える影響など、見通すことが困難な状況が継続しております。また、半導体等の部品不足による生産活動の停滞も心配されます。これらの世界経済に与える負の影響が長期化し、主要顧客からの受注が想定以上に減少すると、人件費や減価償却費など固定費の負担が相対的に重くなり、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。さらには、設備投資資金の回収が遅れた場合は、減損損失発生の要因となる可能性もあります。

受注減少が業績に与えるリスクについては、当社グループが製品を提供している業界の動向はもとより、顧客からの受注状況等を勘案したうえで、素早く適切な対策を講じてまいります。具体的には、これまで生産革新活動で培ってきたノウハウに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大状況下での経験を生かして原価低減を強力に推し進め、受注の変動に強い事業構造を構築してまいります。このため、間接部門を含め多能工化を推進し、適切な人員配置を目指します。また、自動化設備など省力化に資する設備を中心に投資してまいります。

2.製品品質に関するリスク

当社グループは、主として土木・建築業界や、自動車業界等に幅広く製品を提供しております。これらの製品は、非常に重要な部位に使用されるため、供給者としての責任を自覚し、品質検査及び性能確認には十分注意を払っております。
しかしながら、万一、品質上のトラブルが発生し、人的、社会的な被害が生じた場合は、当社グループの信用及び業績に影響を与える可能性があります。
製品品質に関するリスクについては、これまでもISO9000の認証取得などについて積極的に取り組み、品質保証体制の確立に鋭意努めております。また品質保証本部を設置しており、全社横断的な品質保証体制を構築しております。

3.電気料金に関するリスク

資源・エネルギー価格の高騰を背景に、電気料金が上昇しております。当社グループの事業の中核である熱処理技術を用いた工程は、主として電力をエネルギーとして使用しているため、電気料金は、製造コストを構成する重要な要素です。
今後の電気料金の値上げの状況によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
電気料金に関するリスクについては、設備投資を含む省エネ策を推進してまいります。

4.資材調達に関するリスク

鋼材を中心とする原材料価格が高騰しております。当社グループの事業のうち、特に製品事業部関連事業の主要な材料は鋼材であり、製造コストを構成する重要な要素であります。想定以上に価格が変動した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、生産に必要な資材の入手が難しくなる可能性もあります。資材調達に関するリスクについては、コストアップ分の販売価格への転嫁とともに、継続的なコスト低減を推進してまいります。

5.グローバル事業展開に関するリスク

当社グループは、今後とも事業のグローバル展開を促進していく方針であります。グローバル事業においては、進出国の経済情勢、法制度、政治的動向や治安に至るまでのリスクを認識しなければなりません。また、事業の投資額が多額となることもあります。進出国において、想定外の法制度の変更、政治や経済状況の変化が生じた場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。グローバル事業展開に関するリスクについては、事業計画立案時から事業運営に至る各プロセスにおいて、主幹事業部と事業開発本部をはじめとする各機能本部が連携し、課題の抽出とその解決のためのコントロールを着実に実施できる体制の整備を図ってまいります。