ネツレンでは、お客さまや調達先、地域社会などのステークホルダーとの関わりにおいてさまざまな取り組みを行っています。また、グローバル企業として2022年に新たに人権方針を制定しました。さらに、第15次中期経営計画に基づき、人財への取り組みにも注力しています。

品質とお客さま満足の向上

品質方針

ネツレンでは、高い技術力による高品質な製品・サービスを提供し、コミュニケーションの活性化を図ることでお客さまの満足度の向上を目指しています。
経営の質の向上、内部統制の適切な整備・運用およびグループ経営理念の実現を目的に、TQM※1活動を経営の中核に位置付け、PDCAサイクルで経営改善につなげています。予防処置の実施を基本とし、不適合発生の予防に努めるとともに、「品質保証規程」に基づき、品質保証の国際規格ISO9001(全事業所が取得済み)やIATF16949※2認証を取得して品質保証システムを運用しています。2021年度は、重大品質問題は1件でした。
熱処理作業における加熱温度の重要性を再認識するため、工場の全従業員を対象とした目視測温訓練を2018年度より実施しています。これにより全従業員が±25℃の目視測温技術を習得することを目指しています。
また、製品事業部およびIH事業部加工部では、主要なお客さまに対して「顧客満足度調査」を継続実施し、回答結果を改善につなげています。

 

品質方針

  1. 当社は、常にお客様に満足していただける高品質の製品とサービスを提供します。
  2. このため、全員で新しい技術の開発とより高い水準への改善に絶えず努力します。
  1. Total Quality Managementの略
  2. 自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格

品質保証体制図

調達先との関わり

ネツレンでは、調達先との連携を強化し、環境負荷低減と社会の発展に貢献するオープンでフェアな調達を実施しています。調達・品質保証担当者が、原材料、装置製作、部品製作の調達先を訪問して作業手順、品質工程などを確認し、労働安全、品質、法令遵守、QC(品質管理)手法に関する監査・指導を行っています。新規取引先には供給者認定監査を行い、品質管理、職場環境、経営状態を確認しています。社内においては、調達先との適正な取り引きを遂行するため、下請法の勉強会を開催し、法令遵守に努めています。

ネツレンと輸送業者で共同開催する輸送連絡会では、
安全運行とコンプライアンス遵守の講習を実施
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ネツレンと輸送業者で共同開催する輸送連絡会では、
安全運行とコンプライアンス遵守の講習を実施

人権方針の制定

ネツレングループでは、ビジネスにおける人権尊重の取り組みを推進するため、2022年4月に「ネツレングループ人権方針」を制定しました。サステナビリティに関する取り組みの一環として、国連人権理事会で策定された「ビジネスと人権に関する指導原則」や専門家の助言のもと制定しました。

 

ネツレングループ人権方針

ネツレングループは、IH(誘導加熱)技術を通じて多くの産業に変革をもたらし、人々の生活や安全に貢献することを目指しています。このような役割を社会で果たしていくにあたり人々の人権を尊重することが重要であることを強く自覚し、国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠して、全ての事業活動を通じて人権の尊重に取り組んでいきます。
また、「ネツレングループ企業行動倫理基準」の考え方に基づき、企業活動すべてにおいて法令および社内規程を遵守し、社会倫理を尊重します。安全および健康を基本としつつ、人を育て、活力ある企業グループを目指し、企業の社会的責任を果たしていきます。

労働安全衛生への取り組み

ネツレンでは、「ネツレン労働安全衛生基本方針」と中央労働災害防止協会ゼロ災推進部の掲げる「人間尊重の基本理念」に基づき、ゼロ災・ゼロ疾病を目標に、安全な職場風土づくりを目指しています。また、安全衛生管理のしくみとしてグローバル安全衛生管理体制を構築するために、中央労働災害防止協会が実施している「JISHA方式適格の労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)」を導入・展開しています。2021年度の労災発生状況は、重傷災害0件、軽傷・微傷災害が6件でした。

労働災害統計
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労働災害統計

地域社会とともに

ネツレンでは、「地域社会との共存」をCSR基本方針に掲げ、「地域に開かれたネツレンへ」を基本的な考え方として、情報公開、各工場・事業所での活動等を行い、地域との相互理解に努めています。
学術研究は8校の大学や高専と連携し、大学生・工業高等専門学校生のインターンシップや実務・実習訓練の受け入れを行っています。また、地域のスポーツ振興にも取り組んでおり、2022年度は、いわき工場の操業地域のプロサッカークラブ「いわきFC」に協賛を行いました。さらに、人権針の制定を機会に、2022年8月に日本赤十字社に海外救援金を目的とした寄付金目録を贈呈しました。
これからも地域と積極的に連携し、企業としての責任を果たしていきます。

日本赤十字社への目録贈呈
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日本赤十字社への目録贈呈

人財に関する中期経営計画における目標

ネツレンでは、第15次中期経営計画の戦略4において「グローバルにグループ営業力、マーケティングの強化を担う人財の輩出」を掲げ、「ダイバーシティの実現」「多様な働き方の実現」「技能人財の育成」の3本柱を立てています。自発的貢献意欲を醸成しながら生き生きと働く職場環境を整備し、従業員一人ひとりのキャリア形成を支えていくために、2021年度は以下の取り組みを実施しました。

技能人財の育成

ネツレンでは、人財の多能工化を約10年間かけて進めていく予定です。技能向上を目指し、2020年度よりはじめたIH人財情報の管理・運用の基礎となるスキルマップ整備の取り組みをリスタートさせました。まずはIH事業部を中心に、部門ごとにスキルマップのひな型を作成。個人のスキルを明確化した上で、OJTや研修と連携しながらスキルアップを図っていきます。これは、組織および個人に要求されるスキルを明確化することで、「補完すべきスキル=教育すべきスキル」を見える化させる意図があります。2024年度にはシステム化と全社展開を図る予定です。
また、「新任管理職」「課長補佐」「リーダー」の3階層に向けた階層別研修では、座学と集合演習を組み合わせ、知識の定着と意識の向上を図りました。集合演習では、実技の伴う仕事の教え方実習を実施しました。その他、外部講師を招いたステップアップ研修も開催し、技術の底上げを目的に従業員70名が受講しました。

人財育成研修(手道具道場)
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人財育成研修(手道具道場)
各部署に必要な中分類スキルおよび個人に要求される小分類スキルを順に明確にし、補完すべきスキル=教育すべきスキルを見える化する。
IH人財情報管理ツールの種類
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各部署に必要な中分類スキルおよび個人に要求される小分類スキルを順に明確にし、補完すべきスキル=教育すべきスキルを見える化する。

IH人財情報管理ツールの種類

※1 Middle Management(管理職) ※2 Foreman(監督職) ※3 Assistant(アシスタント職)

学びを実践につなげる人財育成体系

多様な働き方の実現

ネツレンでは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響をきっかけに該当部署の在宅勤務の浸透および定着を図っています。多様な働き方の実現に向けて、ペーパーレス化や仕事のフロー改善にも取り組んでいます。
また、年次有給休暇の取得の推進に取り組んでいます。工場では工数管理の影響もあり取得日数が限られますが、取得しやすい環境づくりに取り組んでいきます。

ワークライフバランスにかかわるデータ(2021年度)
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ワークライフバランスにかかわるデータ(2021年度)

ダイバーシティの実現

ネツレンでは、グローバルなエンジニア育成のため、海外拠点との技術交流を継続的に実施しています。IH事業部電機部では、韓国と中国の拠点において定期的にエンジニア育成技術交流会を開催。韓国・中国よりエンジニアを受け入れ研修を実施しています(2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大で実施なし)。
また、グローバル人財を育成する海外トレーニー制度を行っています。2020年10月よりネツレンアメリカコーポレーション(米国)へ海外研修者として若手社員を派遣しています。
その他、ダイバーシティをさらに実現していくために、法改正された育児介護支援について男性社員に働きかけています。また、女性管理職数倍増の目標実現に向け、ダイバーシティ研修など随時開催しています。今後も個人を尊重した社内環境整備や意識浸透に努めていきます。

女性活躍推進法における行動計画(目標)
(2022年4月1日〜2026年3月31日)

  1. 女性管理職数を2026年3月末までに2倍以上にする。(2022年3月末比)
  2. 年次有給休暇の平均取得日数年間10日の推進
  3. 育児や介護等に関する制度を充実させ、利用しやすい環境を整備する。

総務・経理担当者 情報交換会

視野と社内のつながりを広げることを目的に、総務・経理担当の中途採用・新入社員の女性を中心に情報交換会を実施しました(2021年11月)。

参加者:IH事業部7名、製品事業部4名、本部2名