ネツレンでは、お客さまや調達先、地域社会などのステークホルダーとの関わりにおいてさまざまな取り組みを行っています。

また、グローバル企業として2022年に新たに人権方針を制定しました。

さらに、2024年からは、第16次中期経営計画に基づき、人財への取り組みにも注力しています。

品質とお客さま満足の向上

品質方針

ネツレンでは、高い技術力による高品質な製品・サービスを提供し、コミュニケーションの活性化を図ることでお客さまの満足度の向上を目指しています。
経営の質の向上、内部統制の適切な整備・運用およびグループ経営理念の実現を目的に、TQM※1活動を経営の中核に位置付け、PDCAサイクルで経営改善につなげています。予防処置の実施を基本とし、不適合発生の予防に努めるとともに、「品質保証規程」に基づき、品質保証の国際規格ISO9001(全事業所が取得済み)やIATF16949※2認証を取得して品質保証システムを運用しています。2021年度は、重大品質問題は1件でした。
熱処理作業における加熱温度の重要性を再認識するため、工場の全従業員を対象とした目視測温訓練を2018年度より実施しています。これにより全従業員が±25℃の目視測温技術を習得することを目指しています。
また、製品事業部およびIH事業部加工部では、主要なお客さまに対して「顧客満足度調査」を継続実施し、回答結果を改善につなげています。

 

品質方針

  1. 当社は、常にお客様に満足していただける高品質の製品とサービスを提供します。
  2. このため、全員で新しい技術の開発とより高い水準への改善に絶えず努力します。
  1. Total Quality Managementの略
  2. 自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格

品質保証体制図

調達先との関わり

ネツレンでは、調達先との連携を強化し、環境負荷低減と社会の発展に貢献するオープンでフェアな調達を実施しています。調達・品質保証担当者が、原材料、装置製作、部品製作の調達先を訪問して作業手順、品質工程などを確認し、労働安全、品質、法令遵守、QC(品質管理)手法に関する監査・指導を行っています。新規取引先には供給者認定監査を行い、品質管理、職場環境、経営状態を確認しています。社内においては、調達先との適正な取り引きを遂行するため、下請法の勉強会を開催し、法令遵守に努めています。

ネツレンと輸送業者で共同開催する輸送連絡会では、
安全運行とコンプライアンス遵守の講習を実施
拡大
ネツレンと輸送業者で共同開催する輸送連絡会では、
安全運行とコンプライアンス遵守の講習を実施

人権方針の制定

ネツレングループでは、ビジネスにおける人権尊重の取り組みを推進するため、2022年4月に「ネツレングループ人権方針」を制定しました。サステナビリティに関する取り組みの一環として、国連人権理事会で策定された「ビジネスと人権に関する指導原則」や専門家の助言のもと制定しました。

 

ネツレングループ人権方針

ネツレングループは、IH(誘導加熱)技術を通じて多くの産業に変革をもたらし、人々の生活や安全に貢献することを目指しています。このような役割を社会で果たしていくにあたり人々の人権を尊重することが重要であることを強く自覚し、国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠して、全ての事業活動を通じて人権の尊重に取り組んでいきます。
また、「ネツレングループ企業行動倫理基準」の考え方に基づき、企業活動すべてにおいて法令および社内規程を遵守し、社会倫理を尊重します。安全および健康を基本としつつ、人を育て、活力ある企業グループを目指し、企業の社会的責任を果たしていきます。

労働安全衛生への取り組み

ネツレンでは、「ネツレン労働安全衛生基本方針」と中央労働災害防止協会ゼロ災推進部の掲げる「人間尊重の基本理念」に基づき、ゼロ災・ゼロ疾病を目標に、安全な職場風土づくりを目指しています。また、安全衛生管理の仕組みとしてグローバル安全衛生管理体制を構築するために、中央労働災害防止協会が実施している「JISHA方式適格の労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)」の導入している工場を拡大するなどの取り組みを行っています。しかしながら、2023年度の労災発生状況は、重傷災害2件、軽傷・微傷災害が22件と例年に比べて多い結果となりました。
 改めて災害発生件数ゼロを実現するために、全社安全衛生委員会の定期的な開催、特別安全指導事業を指定し、監査を実施するなどしています。

労働災害統計
拡大
労働災害統計

サプライチェーンマネジメントの推進

ネツレンでは、調達先との連携を強化し、環境負荷低減と社会の発展に貢献するオープンでフェアな調達を実現するため、2023年7月にパートナーシップ宣言を実施しました。
また、輸送関連では、2024年問題への対応策として、「中継、共同輸送の拡大」「モーダルシフトの対象範囲拡大」「自動配車システム導入推進」等による高効率化等を目指し、輸送サプライヤーとの協業しながら行っています。さらに環境への配慮として部品関連の環境配慮型製品の情報収集を行い、サプライヤーとの協業によるCO₂排出量削減を目指しています。
調達説明会については、2019年度から新型コロナウイルス感染症の影響により開催できませんでしたが、2023年度は3拠点で実施しました。関係強化活動として安全・品質・環境マネジメントシステムへの協力を依頼しています。2024年度も継続し、関係強化を図っていきます。

コマツみどり会より、「グランドパートナー賞」を受賞
拡大
コマツみどり会より、「グランドパートナー賞」を受賞

地域社会との共生

「地域社会との共存」をCSR活動方針に掲げ、「地域に開かれたネツレンへ」を基本的な考え方として、情報公開、各工場・事業所での活動等を行い、地域との相互理解に努めています。学術研究は10校の大学や工業高等専門学校と連携し、大学生・工業高等専門学校生のインターンシップや実務・実習訓練を受け入れています。また、地域のスポーツ振興への協賛や芸術・文化団体や医療・社会福祉団体へも寄付等を継続して行っています。
これからも地域と積極的に連携し、企業としての責任を果たしていきます。

次世代育成

大学生・工業高等専門学校生の

インターンシップ

実習訓練の受け入れ

工業高等専門学校生の

実務訓練の受け入れ

地域に根差した活動

地域住民との対話

工場見学会の実施

周辺の地域清掃活動

技術による貢献

各種シンポジウムでの講演

当社および当社グループ会社は、環境保護・人権擁護・地域社会との共存等が企業の社会的な使命であることを全役員、従業員が認識し、サステナビリティ基本方針として「社会的な使命の認識」を掲げております。
2024年度は、企業版ふるさと納税を通じた寄付(各自治体へ100万円、計700万円)を、当社グループの工場および事業所が立地する以下の7自治体に対して実施しました。 

自治体名称

事業・プロジェクト名

1

岡山県総社市 ※1

だれもが安心して住みたくなる総社事業

2

岐阜県可児市 ※2

「人と経済が元気なまち」を創る事業

3

岐阜県不破郡関ケ原町 ※3

若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる事業

(切れ目のない子育て支援の充実)

4

新潟県阿賀野市 ※4

「健康寿命の延伸を図る事業」

(京ヶ瀬屋内運動場維持管理事業)

5

福島県いわき市 ※5

「いわき創生推進計画」

6

兵庫県神戸市

こうべ女性活躍プロジェクト

7

兵庫県赤穂市 ※6

社会動態(転入・転出)の改善事業

※1 片岡総社市長(中央)、中溝岡山工場長(左)、岩佐同課長(右)

 

※2 冨田可児市長(中央)、秋田可児工場長(左)、中崎可児NH工場長(右)

 

※3 西脇関ケ原町長(右)、森川ネツレン・ヒートトリート岐阜工場長(中央)、奈波同課長(左)

※4 加藤阿賀野市長(右)、稲垣ネツレン・ヒートトリート新潟工場長(中央)、金澤同副工場長(左)

※5 内田いわき市長(左)、内藤いわき工場長(右)

 

※6 牟礼赤穂市長(右)、鬼澤赤穂工場長(左)

 

人財に関する中期経営計画における目標

ネツレングループが将来にわたって価値を創造し続け、社会に無くてはならない企業であり続けるために、最も重要な経営資本は「人財」であると考えています。
「NETUREN VISION 2030」では、人財のあるべき姿として「自発的貢献意欲を持ち、果敢に挑戦し成長を続けながら、多様性あるグローバル人財を輩出することで、世界に躍進する」ことを掲げています。

その実現に向けた第二フェーズである第16次中期経営計画では、人財戦略である「8つの仕掛け」を実行し、社員一人ひとりの自発的な行動をチームの力に繋げ、経営戦略を着実に遂行していく考えです。

第16次中期経営計画 人財における重点施策「8つの仕掛け」

<人財育成>
◦ グローバル人財育成強化に向け、海外トレーニー制度強化および海外人財交流の活性化
◦ スキルマップのシステム化により個人別スキル開発を時系列的に推進
◦ 新たに必要な知識取得に向けリスキリング制度の充実化
◦ 教育・研修の理解深耕に向け、VR・AI 活用学習を積極導入
◦ VISION・中期経営計画の従業員への浸透により、個人・チームの目標を明確化し、自発的貢献意欲を醸成

 

<制度・環境整備>

◦ 一人ひとりの成果をより適切に評価し、個々の希望に柔軟に対応できる新たな人事・賃金制度の検討・導入
◦ ワーク・ライフ・バランスに対応した制度・職場環境の整備継続
◦ 多様な人財が活躍できる働きやすい職場・環境づくり推進

スキルマップの活用とシステム化

第15次中期経営計画で運用を開始した「スキルマップ」は、入社10年で一人前の技能人財となるために、個人ごとにスキルの習熟度を見える化し、自身のスキルの強みと課題を明確にしたものです。全部門の従業員に対して作成を進めています。現在、このスキルマップのシステム化を進めており、全社・部門ごとのスキル達成度を可視化することで、データに基づく戦略的な人財配置・人財育成を行っていく計画です。また、各人がキャリアパスを描くためのツールとして「人財カルテ」を作成し、人財育成システムに組み込むことで、将来を担う人財を計画的に育成します。

女性活躍推進

女性活躍推進に向けては、2024年度末までの活動ロードマップを策定しています。2023年度には各部門との社内意見交換会を5回開催し、延べ94名の従業員(管理職を含む)から意見を収集しました。

これをふまえて、女性従業員の配属職域の拡大や、管理職や技術エキスパートを目指すキャリアパスに対する成長支援、ワーク・ライフ・バランスに配慮した働きやすい職場の整備・人事制度の充実化等を方針として明確化しました。